Brandacujun/ブランダクユン

出来上がり。パンとオリーブオイルを添えていただきます。

リビエラの潮風香る、白ワインにぴったりな簡単シンプル鱈料理

ブランダクユンは、鱈とじゃがいもを使ったリグーリア州の伝統的な料理のひとつです。ローカルの人々によると、本物のブランダクユンを作るには厳選された材料:”Ragno”と呼ばれる最高級の干し鱈、リグーリア産でパスタ・ジェノベーゼにも使われる “Quarantina Bianca Genovese”種のじゃがいも、これまた地元タッジャスカ種のオリーブから作られたエクストラ・バージン・オリーブオイル、インペリア市にほど近いVessalico産のにんにく(味がマイルドで他の素材の味をひきたてるとか)を使うべきなのだそうです。食の国だけにこだわりがすごい! パンに添えて前菜として食べるほか、魚料理の一品として出されることもあります。

料理を作った人:N. Salsi
イタリア・リグーリア州のフランス国境に程近い小さな村で田舎暮らしを満喫中。家庭菜園、自家製のワイン・オイル作りにいそしむ傍ら、築500年の自宅の改装にも精を出す日々を送っています。
日本での実現可能度:★★★★★

 

材料(4人分)
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材料一覧(左上から時計まわりに、エクストラ・バージン・オリーブオイル、パセリ、にんにく、鱈、レモン、松の実、じゃがいも)

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無農薬の自家製レモン

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自家製のエクストラ・バージン・オリーブオイル。リグーリア州の主要品種であるタジャスカという小粒のオリーブから搾油したもの

塩鱈または干鱈(塩抜き・戻したもの) …………… 500g
じゃがいも ……………………………………………… 300g
にんにく ………………………………………………… 1片
パセリ …………………………………………………… 適量

松の実 …………………………………………………… 10g
エクストラ・バージン・オリーブオイル …………… 100-150ml
レモン汁 ………………………………………………… 大匙1ほど
塩・こしょう …………………………………………… 適量

memo
材料は全て日本で入手できるものだと思います。

作り方(調理時間:60分)

1.にんにくとパセリをみじん切りにする。
2.鍋に水と塩適量を入れ、大き目のさいの目に切ったじゃがいもと鱈を入れて中火にかける。
蓋をして30分程、いもが柔らかくなるまで茹でる(途中ふきこぼれそうになったら火力を弱める)。
3.2を火からおろし、鱈とじゃがいもをザルにあける。鱈の皮と骨を取り除き、大きめに身をほぐす。
4.きれいな鍋にオリーブ油を弱火で熱し、みじん切りにしたにんにくを加える。
焦がさないように注意。香りがたったら身をほぐした鱈とじゃがいもを加え、木べらで何度か混ぜる。
5.じゃがいもの形が少し残るくらいになったら火を消し、松の実、みじん切りにしたパセリとレモン汁(お好みで調整)を加えて混ぜる。
塩・こしょうで味をととのえ皿に盛り付け、オリーブオイル(分量外)をかけていただきます。

作り方のコツ

コツは特に無く、簡単で美味しい料理です。
残ったものはコロッケにしたり、ラビオリの詰め物にしても美味しいですよ。

このお料理にまつわるエピソード

料理名はリグーリア地方の方言で、「ブランダ」は揺するという意味です。長期保存が出来る材料で比較的に簡単な方法で出来る為、かつてこの地方の船乗り達が長期の航海の間に考え出した料理ではないか、と言われています。材料を茹で、不要な湯を捨てた後は全ての材料を鍋に戻し、腿の間に鍋を固定し、船の揺れと共に鍋を円を描くように揺らしながら素材の食感を残す程度の半ペースト状になるまで中身を混ぜ合わせたのだろう、という面白いエピソードが語られています。
同じ州内の近隣の村でもそれぞれのアレンジが違い、松の実が入っていなかったり、みじん切りにしたオリーブが入っていたり、レモン汁の代わりにレモンの皮を入れたり、必ず干鱈(または必ず塩鱈)で作らなければ駄目、と様々です。ちなみに義母のこだわりは、鱈以外は自家製の材料を使うこと(ジャガイモ、オリーブオイルも)と、とにかく良質のオイルをたっぷり入れる・かけること。水分が飛んだあとのじゃがいもと鱈がしっとりしている状態であるほどオイルを入れます。苦味と辛味が程よく香る良質のエキストラ・バージン・オリーブオイルが素材の美味しさを引き立たてながらも、多量に使ってもお腹にもたれないというのが秘密のようです。またオイルは火を通すと香りが飛んでしまうので、仕上げにかけることによって、その香りも楽しめます。どちらかというと特別な集まり(クリスマスやお祝い事)に必ずというほど出てくる一品。義両親・義弟家族と一同会して実家で食事をするときや、親戚の自宅での食事にお呼ばれされた際の前菜にはブランダクユンがよく登場します。リグーリア料理のレストランでは、大体、前菜メニューとして出されています。

ぱぺら
2011年よりイタリア・リグーリア州に在住。イタリアの田舎生活、築500年になる自宅の改装やイタリア料理のレシピをブログにて執筆中。秋からピエモンテ州・トリノに本拠地を移す予定。
http://www.golosona.com/