ガッツリ肉とソースがからみ合う、フライパン1個でできるウィーンの定番家庭料理
肉料理の種類が豊富で、調理法もさまざまなウィーン。ウィンナーシュニッツェル、ターフェルシュピッツに次ぐ、3番目にメジャーな肉料理をご紹介します。
ツヴィーベルローストブラーテンは、オーストリアのレストランのメニューには必ずある定番料理のひとつです。肉の旨みと、玉ねぎの甘さが絡み合い、肉の味を楽しむのにピッタリの一品です。ガッツリした肉料理なのに、手間はあまりかからず、多くの量を一度に作ることができるので、日曜の昼に家族で集まる時などに、家庭料理としてよく出されます。
料理を作った人:Cさん
料理上手の年配のオーストリア人女性。趣味はオペラ鑑賞とクロスワードパズル。
日本での実現可能度:★★★★★
材料6~8人分(4人家族の場合はレシピの半量)
玉ねぎ ………………………………………… 2個
牛肉 …………………………………………… 800g
小麦粉 ………………………………………… 大さじ3
塩 ……………………………………………… 少々
胡椒 …………………………………………… 少々
バター ………………………………………… 小さじ4
パスタ ……………………………………… 1人100g
※パスタはじゃがいもに変えてもOKです。
※オーストリアの玉ねぎは日本の半分弱の大きさです。
※リブロ―ス、オーストリアでの部位名はRostbraten。
memo
材料はどれも、日本で手に入るものばかりですので、手軽にチャレンジできます。添え物として、今回はHörnchen(オーストリアで一般的な曲がった筒形のパスタ)を使用しましたが、スパゲティなどどんなパスタでも構いません。また、レストランなどでは湯がいたジャガイモやポテトフライが添え物となることが多く、炭水化物なら何でもあうと思います。
作り方(調理時間:30分)
1.牛肉を8~10mmの厚さに切る(800gブロックで8切れ程)。
2.牛肉をフライパンで炒める。焼き色が付いたら皿に出しておく。中身は火が通ってなくてもOK(8枚の場合はフライパンで2回に分けて炒める)。
3.玉ねぎを厚めの薄切りにする。
4.玉ねぎを、牛肉を炒めたフライパンで軽く炒める。
5.玉ねぎが半透明になったら、小麦粉を加えて軽く炒めてなじませ、あめ色になるまで炒める。
6.水をコップ2~3杯加え、塩コショウする。
7.ソースが少しドロッとしてきたら、出しておいた肉を全部ソースの中に戻す。
8.バターをフライパンの対角線上に4か所(時計の12時、3時、6時、9時)に置き、ゆっくり溶かしてソースにコクをつける。
9.フライパンにふたをして弱火で20分煮込む。
(10.フライした薄切りの玉ねぎがあれば乗せる)
パスタや芋を茹でるなど、添え物も準備しておきましょう。
作り方のコツ
ソースがドロッとしていると、玉ねぎの甘みが風味となり、添え物のパスタやジャガイモに絡みやすく、さらにおいしくなります。
フライした薄切りの玉ねぎを上に置くのが正統派レストラン風となりますが、家庭料理として出す場合は、手間を省くため、なくても大丈夫です。
作り方の動画
ソースに焼き色の付いた牛肉を戻します。ソースの濃さや色合いにご注目。
20分煮込み、完成です。ソースのとろみをご覧ください。
このお料理にまつわるエピソード
ツヴィーベルローストブラーテンはとても長い名前ですが、ツヴィーベルは玉ねぎ、ローストブラーテンは、焼いた牛肉料理という意味です。レストランのツヴィーベルローストブラーテンは、香ばしい玉ねぎフライが上にのせてありますが、玉ねぎの薄切りを一枚一枚揚げるのは意外と手間がかかるので、家庭料理ではしばしば省略されます。今回のレシピでは玉ねぎフライ無しですので、Rindschnizelと呼ぶ場合もあるそうです。 |
ひょろ オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。 HP:「ウィーン・ミュージカル・ワールド」http://wienmusicalworld.com/ ブログ:「舞台はウィーン!」http://wienok.blog119.fc2.com/