オーブン任せのシンプルテイスト
名前の通り、現在ではほとんどロシア領になってしまっているカレリア地方伝統のシチュー。カレリア地方のというのは名ばかりで、材料を切ってオーブンに入れておくだけという、その作りやすさと成功率の高さから、フィンランド全土のどの食卓にも登場するおなじみの鉄板メニュー。
料理を作った人:靴家さちこ
フィンランド人の夫と食べ盛りの2人の男児のために、毎日キッチンを切り盛りする、フィンランド在住歴12年のママ。
日本での実現可能度:★★★☆☆
材料(約12人分)
[wc_row][wc_column size=”one-third” position=”first”] [/wc_column][wc_column size=”one-third”] [/wc_column][wc_column size=”one-third” position=”last”] [/wc_column][/wc_row]牛肉 ……………………………………………… 300~400g
豚肉 ……………………………………………… 300~400g
玉ねぎ …………………………………………… 中2個ぐらい
にんじん ………………………………………… 中1~2本
水 ………………………………………………… ひたひた
塩 ………………………………………………… 小さじ1~2
オールスパイスか粒コショウ ……… 10粒
ローリエ ………………………………………… 1~2枚
memo
お好みでスウェーデンかぶ、かぶ、大根、じゃがいもなどを入れてもおいしくできます。
つけあわせをマッシュドポテトにする場合にはじゃがいもは入れない方がベター。ご飯にかけてもおいしいです。
お肉はカレー用のお肉でもいいですし、ブロックを大きめの角切りにしてもいいでしょう。
伝統的には羊肉や臓物なども入れる料理だったので、お好みで足してみてもいいかもしれません。
作り方(調理時間:40分)
1.オーブンを225度に予熱しておく。
2.牛肉と豚肉は大きめの角切りにし、たまねぎはくし型に、にんじんは乱切りに切る。
3.2を深めの耐熱皿もしくは、オーブンに丸ごと入れられるシチュー鍋、もしくは小さめの土鍋などに混ぜ合わせて入れる。
4.ローリエとオールスパイスを入れ、水を材料が半分隠れるぐらいまで注ぎ塩をふり入れる。
5.225度に温まったオーブンに10~20分ほど入れる。
6.肉に焼き色がついたら温度を150度に下げ、水をかぶるくらいに足してふたをし(無ければアルミホイルで)2時間ほど煮込む。
7.火が材料に均一に入っているか気になれば、何度かふたを開けてかき混ぜてみる。味見をして塩気が足りないようだったら、必要に応じて少し塩を足してみる。味が整い、材料が十分柔らかくなったことが確信できたら、オーブンから熱々を食卓に出す。
作り方のコツ
長時間低温で調理して、お口の中でとろけるような柔らかいお肉に仕上げることがこの料理の最大のポイント。本レシピでは、肉汁が逃げてぱさぱさにならないように、まず高温で焼き色を付けてから温度を下げてじっくり煮込む方法を紹介していますが、人によっては初めから160度や180度などの低温で2~3時間、高温でも200度で温度は170度までしか下げないなどと調理法が様々です。おなじみのお肉でお好みの柔らかさに仕上げる温度を研究して突き止めれば、各ご家庭オリジナルの秘伝のレシピになります。
このお料理にまつわるエピソード
カレリア(Karelia)とは、フィンランド南東からロシアの北西部にかけて広がる森林と湖沼の多い地方の名前。カレリアのことをフィンランド語ではKarjala(カルヤラ)というので、この料理のフィンランド語名は「カルヤランパイスティ」、日本では「カレリア風シチュー」「カレリアンシチュー」という名で紹介されています。シチューのわりには、さらさらと水分が多い料理なので、外国人にはスープと勘違いされることもありますが、「シチュー」です。 |
靴家さちこ 2004年よりフィンランド在住。フリーのライターとしてジャーナリストとして、目が離せないフィンランド発の旬な話題を発信中。何年住んでも寒さと暗さは苦手なので、ここより北へは一歩も動きません。 Twitter:@Kutupon